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Drag 抗力

飛んでいる飛行機には4つの力 (Force)が発生しています。 Dragは飛行の反対に行く力で、前進するのを阻止しようと抗力が発生しています。 これには2種類があります。Parasite Drag とInduced Drag。

  • Parasite Dragは一般的に空気抵抗と呼ばれて物です。
  • Induced Dragは翼が揚力を発生させる時に生まれる副産物です。

Parasite Dragには3種類の物が有ります。

  • Form Drag: 気流に物体に入れた時に発生する、後方に押そうとする力です。 例としてはアンテナや支柱、ギア、翼など何でも気流の中に有る物です。 面積や形に大きく依存します。 翼の様な形では少なく成りますが、四角い形の物体では多くなります。
  • Interference Drag: 2種類の気流が合流する所に発生します。合流点では渦の様な乱気流が発生して、大きな抗力になります。垂直に近い角度部分で最も大きくなります。 飛行機で一番大きくなる部分は主翼と胴体の付け根です。
  • Skin Friction Drag: 気流が表面を通過する時に発生する摩擦を言います。 ツルツルの表面では少なくなりますが、それでも目に見えないデコボコが有って摩擦が空気抵抗になります。

Parasite Dragは一般的な空気抵抗と思っています。 色々な種類がありますが、似た様な物だと思っています。 走っている自動車や自転車でも同じ様に発生するものです。 川の中の岩や橋桁が水流から感じる物も同じかな。

特徴としては、速度に大きく比例する事です。 速度の2乗に比例するします。 速度の影響は強く、速度が3倍になればその2乗の9倍と、速度が増えると急激に増えます。 でも、逆に遅い時はグーンと小さくなります。

例:アンテナ、Landing Gear、Pitot Tube、飛行機自体、リベット、割れ目から発生する空気の乱れかな。 

Induced Drag 揚力(Lift)が発生する時に副産物として発生する抗力

揚力が発生する時には、翼付近の気流が下に流されます。 その影響で揚力が後方に傾き、その傾きが抗力になります。上に引っ張る揚力が後ろ向きになると、上に吊り上げるだけ出なく、揚力が飛行機を後退させようとします。

例: 貴方の髪の毛を真上に引っ張ってください。 頭は上に行きますよね。 でも、その髪の毛を斜め後ろに引っ張って下さい。 頭は確実に上にも上がりますが、その時には頭が後方にも行くでしょ。これがInduced Dragです。 

揚力が強い時に増加します。 低速で飛行している時は、速度の減少で揚力が少なくなります。それを補う為に機首を上げてAngle of Attack (迎え角度)大きくします。 するとLiftは後ろに行ってしまい、Induced Dragが大きくなります。

以前に説明したInduced Drag

Dragと飛行速度の関係

Parasite Drag(空気抵抗)は速度が速くなると、強烈に増えていきます。 (速度の2乗に比例します。) でも、Induced Dragは速度が速くなると、逆に減って行きます。 速度が速いとLiftが強くなるので、機首を上向きにする必要が最小限になります。 でも、逆に低速になるとLiftが減るので、それを補う為に迎え角を増やしますのでLiftの角度が後ろに後退してInduced Dragが増えます。 

飛行機の抗力と速度の関係 Drag vs Speed (FAA Handbookより)

  機首 Parasite Drag Induced Drag Total Drag
高速 下げ気味 爆発的に増加 少ない 増える
中速 普通 普通 普通 少ない
低速 上げ気味
少ない。
爆発的に増加 増える

Total Drag、全体の抗力の合計は速度が早すぎても、遅すぎても大きくなります。 Best Glide Speedと呼ばれる速度で合計のDragが一番少なくなります。 L/D Maxiと言うのですが、Lift:Dragの比率が一番大きい時にTotal Dragが最低になります。 この速度で飛行すると空気抵抗が一番少ないので、エンジンが停止した時に最小の距離を滑空する事が可能になります。

(L/D Ratioとは、Lift÷Dragの数値であり、ある翼形のある速度での効率を表します。)

 

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