HOME CONTACT LINK 検索
   ATC:航空無線      筆記試験 > PVT : IFR      PTS:飛行試験項目      お勉強室      航空辞書      けいじ板  

Spatial Disorientation 空間識失調 (Vertigo)

外部が良く見えなくて、上下や傾きが分からなくなる事を言います。場合によっては航空機の姿勢が保てなくなり、墜落する事に陥る可能性が高いので注意と対処法を知っておく必要があります。 視程が悪い時や、雲の中、そして天候の良い時でも、夜間なら逆に起こりやすいと言われています。 光量の少なく錯覚で適切に水平線の判断が出来無いのです。もちろん危険性はどんな場合でも、どんな時にでも起こりえる可能性があります。場合によっては体調不良で起こる時もあります。

地平線が見えている時は問題は無いのですが、 雲や霧の中や地平線が見えない状態で、飛行機の姿勢が分からなくなる状態です。 悪天候だけで無く、夜間飛行でも可能性が高まります。


これって Level Flight? それとも旋回中? 上昇中? 雲の中は真っ白で外を見ただけじゃ分らないよ。

この様に姿勢がグチャグチャになるのををUnusal Attitudeと言い、Private Pilotの訓練でも、この状態から回復する練習をします。 事故に多いのは深いバンクからの急降下(steep spiral dive)ですが、StallやSpinからの不適切な回復法での空中分解も考えられます。Spinでは三半規管がやられて症状が強くなる場合もあり、水平飛行に戻っても気が付かない場合があります。もちろん、高度を失って障害物に衝突する場合もあります。

Unusual Attitude Recoveryの訓練は計器飛行が目的ではありません。 万が一、雲に入った場合や、空間失調症Spatial Disorientationになった場合に、最低限の安全を確保する事が目的です。 雲の中に入ることは違法で危険です。 違法ですが、間違えて入ってしまった時の対処法だと思って下さい。

この状態になると体の感覚と飛行姿勢が会わなくなり、状況が分からなくなります。 地平線が見える時は直ぐに、頭の中が修正できますが 見慣れた地平線が見えないと、頭が混乱を起こして飛行機の姿勢が分から無くなります。 精神的な影響も大きく、一度狂いだすと修正できずに墜落に陥る場合があります。 人間では誰にでも起こりえる普通の状態ですが、対応が出来ないと非常に危険です。

飛行時間が多くあっても、かなり起こりやすい物です。意外と皆さんが落ち入っています。 ただ訓練により、無意識に回復する時も多いで気づかないのです。 しかし、経験が多くなると、変だと気づいても、空間失調症と気づかずに、飛行状態が悪くなるとそのまま操縦不能に陥ったり、空中分解、失速の危険が高まります。

地平線が見えない状況では、体が感じる物や機外から頭に入ってくる情報は全て狂っています。 通常では「癖」で計器を見て、「癖」で修正が出来ているのです。 でも「癖」なのでちょとした事で狂い出します。 もし頭が間違った情報で飛行すると、もっと姿勢が悪くなるので状況はすぐに悪化します。 そうなると不思議な物で、自分の間違えた情報が正しいと思えて来て悪循環に入ります。 高速旋回で降下してVneを超えて空中分解や、減速しすぎて失速・スピンしてしまう場合も有ります。


夜間飛行 これはLevel Flight? それとも 右旋回で下降してるの? False Horizonに注意ね。

 

    次へ
    What is it? : 対処法 : 万が一の為に : Unusual Attitude Recovery : Summary


HOMEATC:航空無線筆記試験 > PVT : IFRPTS:飛行試験項目お勉強室航空辞書けいじ板LINKサイト検索
Copyright c 2007-2017 Koji Ueda. All rights and Copyrights are the properties of Koji Ueda. All Rights Reserved. 上田浩史に著作権はありますが、お勉強・訓練には使ってね。教育関係はの方は必ず「CFI Japanから」と添えてお使い下さい。