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Constant-Speed Propeller 定速プロペラ

私たちが操縦する飛行機には一般的に2種類のプロペラが有ります。 多くの訓練機に付いているのがFixed Pitch Propellerです。もう一つが、自動的にプロペラの角度が変化する Constant-Speed Propellerです。プロペラ機の半分ぐらいは、この種のプロペラが搭載されているのでは無いかと感じます。 (実際の統計を見た事は無いですが、空港を歩いてると結構、多く見られます。)

Fixed-Pitch Propeller 固定プロペラ (Cessna 172)
Constant-Speed Propeller 定速プロペラ (Cessna 182)

Fixed-Pitch Propeller (Cessna 172)

固定されたプロペラなので、
無駄を減らす為に根元まで翼の形をしています

Constant-Speed Propeller (Cessna 182)

プロペラのブレードが回転するので、
自由に動ける様に根元が丸くなっています。

このConstant-Speed Propeller (定速プロペラ)は仕組みが複雑で高価、そして操作もやや難しいため、やや高級な飛行機に搭載されています。 一般的にComplex AirplaneやHigh Performance Airplaneと呼ばれる飛行機に搭載されています。Variable Pitchの仲間で角度調節も出来るので、FARで定義されるControllable-Pitch Propellerの仲間です。

この種のプロペラは、名前の通りプロペラの速度が一定になる様に設計されたものです。この場合の速度は飛行機の飛行速度では無く、プロペラ自体の速度で、回転数を意味します。タコメーターのRPMです。 飛行機の速度が一定になるって意味じゃないのでご注意を。

飛行機自体の速度が速くなると、プロペラに対する気流が変わり抵抗が少なくなります。 固定されたプロペラでは回転数は、飛行機の速度に比例して早くなります。 回転数が早くなると聞くと、良さそうな気がしますが実際はプロペラの効率が落ちている場合も多くなります。プロペラは翼と同じで、空気中を移動する事によって推力と言う、揚力を生む翼と同じ働きをします。 プロペラにも迎え角(Angle of Attack)があり、最も効率の良い角度と回転数(速度)が有ります。 速度が速くなると、このAngle of Attackが小さくなって、効率も変わってしまいます

極端な例で考えてみると、飛行機が250ノット以上になるとプロペラの回転と飛行機の速度差が無くなってきます。 こうなると、Fixed-PitchではPropellerの迎え角(Angle of Attack)が殆どなくなってしまいます。 こうなると回転に対する空気抵抗は極端に少なくなり、プロペラの回転が極端に早くなると想像が出来ますが、Angle of Attackが殆ど無いのでTrust (推力)が殆ど無くなるでしょう。 その為、高速で飛行するにはPitchを変化させないと速度を維持するのが困難になります。

Constant-Speed Propellerの場合は、この飛行機自体やエンジンの速度に関係なく、回転速度が一定になる様に設計されています。自動的に回転数が一定になる様にプロペラの角度が変わるのです。 この機能のおかげで、飛行機の速度などに影響されずに効率の良いプロペラの角度(Angle of Attack)を維持する事が可能になります。 実際の角度を知る事は有りませんが、回転数がこの角度にほぼ比例します。

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Student Pilot、Private Checkride と Constant-Speed Propeller

Private Pilot や Instrument Ratingでは、安価で操作の簡単である固定式のFixed-Pitch Prpellerが搭載されている飛行機で訓練します。 でもPrivateでもConstant-Speed Propellerの飛行機も操縦は出来ますので、操縦はしなくても良いのですが基礎知識だけは必要です。と言っても普通の飛行試験で聞かれる事は考え難いので、軽くで大丈夫でしょう。 現在、Privateを目指されている方は筆記試験に出てきそうな所だけで十分かと思います。 このページはCommercialやMultiな人を主なターゲットに書いてます。

Constant-Speed Propで受験や単独飛行をするのも可能でしょう。 そうなると知識も経験も必要ですけど。 まあ、自費で訓練する人がわざわざ費用が高く操作も難しい飛行機で練習するのは考え難いです。 保険の問題もあるし、貸す人も居ないでしょう。 でもアメリカの航空法ではStudent PilotがConstant-Speed Propでの単独飛行を禁止はしていません。

Constant-Speed Propellerの飛行機に乗るには:

FARでの規定は、Complex Airplaneを操縦する時に必要な項目があります。 まあ、この様な飛行機の機長になるには、飛行教官から教習を受けて、操縦をして、大丈夫だと言うエンドースメントが必要になります。 

Complex機とはVariable Pitch Propeller, Retractable Landing Gear, とFlap この3つを搭載した物を言います。 これらの飛行機を操縦する時はFlight InstructorからGround Instrcution(地上での教習)を受け、実際にその様な飛行機で同乗訓練を受けて、その飛行教官からエンドースメント(太鼓判)をログブックに記載しもらう必要があります。

では、Fixed Gearだけど、Constant-Speed Prop をもったCessna 182はどうなるか?

またこれとは別に、200馬力以上の飛行機を操縦する場合は、High Performance Airplaneと言って、別の訓練とエンドースメントが必要になります。

詳しくはFARのPart 61.31のAdditionalTraining Requirementsとかを見てください。 ここらの航空法はコロコロと変わりますのでご注意ください。

次へ プロペラ回りの空気の動き


注意:

Constant-Speed Propellerの原理は難しい様で簡単です。 でも、メーカーや目的、時代によって構造や動きがガラッと変わります。 
その為、全く違う!って様な設計もありますが、原理は同じです。 「違いは有るぞ!ここは基本的構造だけを学ぶぞ」っとの意識で読んで下さい。 このページは AC65-12A A&P Powerplantを元に作ってますので、そんなに現実離れはしていませんが、違いは有ります。 

整備士用のACですので色んなのが有りましたが、深い所までは皆さんには不要でしょう。 私は読む気が無くなったので途中で切り上げています。 整備目的ならこの整備士の本(AC)と、整備用のマニュアルを基準にしてください。

Privateの訓練をしてるStudent Pilotならここに書かれている事は、まあ行き過ぎほどです。基本の基本だけ分かって頂ければと思います。ライセンスを収得後にCommercialやMulti、またComplex機を操縦する人を基本に考えています。


目次

  1. イントロのページ 初めに作っていたイントロ用のページです。 次に行きたい方はここから。
  2. プロペラの航空力学入門編: プロペラの回りでは何が起こってるのか? なぜ、角度を変えた方が良いの? (その
  3. プロペラの構造 Constant Propellerの場合 (その  ・  ・  ・ 
  4. Propeller Governerってなんだ。 (その  ・  ・  ・ ) 
  5. Constant-Speed Prop機の操作方法  (その  ・  ・  ・ ) 
  6. Private Pilot 向け (時間が無い人に。 Fixedだけの人用にと思って作ってます。)
  7. 試して見て 検定です。 定速プロペラ Constant-Speed Propeller
  8. ----- 過去のページ ----- 理解が出来ない! と言われた昔のページ。 今見ると確かに私も理解できない所が多い。

 

 

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